私が子供のころはおせち料理といえば母親がそれぞれのおかずをお正月前に手作りで用意していました。そして三が日(元日・2日・3日)はほとんどおせち料理を食べていました。いまとは違いどこのお店も開いていないのでおせち料理を食べないといけないのかな~と子供ながらに思っていました。
いまではおせち料理は半数以上の家庭で、できあがったものを通販や百貨店やコンビニなどで購入するという風に変わってきました。さらに近年は日本の文化が注目され日本食ブームもあって海外からの注文も年々増えているようです。
さて、そんなおせち料理ですがなぜお正月に食べるようになったのか、答えられますか?食べるだけでなくおせち料理の意味や歴史を知って、子供たちにも教えながら楽しくおせち料理を頂く。
そんなお正月にしてみませんか?
おせち料理にはひとつひとつ意味がある
おせち料理は本来季節の変わり目である「節句」に神様へお供えしていた料理のことを意味していました。
それが時代とともに一番重要な節句であるお正月に作られる料理になり、さらにそのあとは
「お正月はお店が閉まってしまうし普段忙しくしているお母さん達にお正月くらいゆっくりしてもらいたい」
ということから、保存ができるお料理という意味合いが含まれてきました。
そして現在のおせち料理は、家族や親せきとお正月を迎えるための料理という意味合いが強いですね。
さらにデパートや通販でバラエティにとんだおせちを買って頂くというのが当たり前のようになってきました。
じつは、おせち料理のおかず(食材)には、ひとつひとつおめでたい意味やいわれがあります。
地域によっておかずの数は少し違ってくるのですが、すべて揃えると20~30種類にもなります。
なかでも代表的なものを「祝い肴三種(いわいさかなさんしゅ)」といって、この三品(とお餅)が揃えばおせちの形が整い、お正月が迎えられるとされているメニューがあります。
これも関東と関西では少し違うのですが、関東では「黒豆・数の子・田作り」。関西では「黒豆・数の子・たたきごぼう」がそれにあたります。
それでは代表的なものを、おめでたい意味やいわれと共に紹介していきます。
黒豆の意味は元気・健康
おせち料理の定番おかずといえば「黒豆」ですよね。黒豆は先ほども紹介しました祝い肴三種のひとつとされとてもおめでたい意味があります。
昔から「まめ」というのは元気・健康を意味する言葉のようです。
そして「まめに働く」「まめに暮らす」というような語呂合わせからも、黒豆には健康で元気に働けますようにという意味があるようです。
じっさい豆は体にもいいですからね。また黒色には厄除けや長寿という意味もあるようです。
おもしろいことに関西では、ふっくらと甘く煮ることが多く、しわが寄らずに長生きできますようにという意味が込められていて、反対に関東では、黒豆にわざとしわができるように煮ること多く、しわが寄るまで長生きできますようにという意味が込められているそうですよ。
地域によって意味やこめられた想いが変わっているのがおせち料理のおもしろいところでもあります。
おせち料理におすすめの黒豆煮
こちらは兵庫県丹波篠山の黒豆煮です。上質な黒大豆だけを使い黒豆本来のうまみを楽しめるよう甘さを抑えて煮あげた上質な逸品です。ぜひおせち料理に使ってみてください。
マメ知識・黒豆に入っている赤いのってなに?
こんな感じでおせち料理の黒豆と一緒に入っていて、ねじねじというかぐるぐるというか巻貝というかひょうたんというか、へんな形の赤い食べ物(笑)
これはチョロギといって、しそ科植物の茎の先端部分でもとの色は白いのですが、梅酢やしそ酢で色付けされて赤い色になっています。
チョロギを漢字で書くといくつか種類があり、まず蚕のような形だから「草石蚕」、おせちなどお祝い事があるときに食べられるので縁起をかついで「長老喜」、また「長呂儀」と書くこともあります。
数の子の意味は子孫繁栄・子宝
おせち料理で私が一番好きなのは「数の子」です(笑)。
あの歯応えがたまりません!お酒好きな人は数の子が好きなんじゃないかな~。
そんな数の子は何からできているというとニシンの卵です。ニシンはとても多くの卵を持っているので
「たくさんの子宝に恵まれるように」「家がますます栄えるように」など願いを込めておせち料理に使われています。
おせち料理の数の子は、じつは地域によって味付けが違います。
関東では、だし汁と醤油と酒で味を整えます。濃口醤油につけるので数の子が茶色になるのが特徴です。さらに、みりんや砂糖を入れて甘くすることもあるようです。
関西風は、だし汁と薄口醤油と塩で味を整えます。薄口醤油なので数の子の色はそれほど変わりません。見た目は、こちらの方が美しいですね。
福島市周辺と山形の内陸部で食べられているのは「数の子豆」といいます。数の子とひたし豆を和えた郷土料理です。
おせち料理におすすめのますよね数の子
秘伝醤油と鰹出汁で上品な味付け。
1粒1粒が弾ける食感でパリパリ&ボリボリの歯触り
田作り(ごまめ)の意味は五穀豊穣・豊作
お正月のおせち料理に欠かせない田作り。片口いわしの稚魚を、素干しにして、乾燥させたものを煎って、砂糖、醤油、みりんなどを煮詰めて、甘辛く味付けした汁と、からめた佃煮でごまめとも呼ばれています。
体の表面が、銀紺色に輝いていて、お腹も光っているものが、おいしいとされていて、形も崩れていなくて、頭や尾も、ついていて、とれていないものが、良品とされているんです。
田作り(ごまめ)にこめられている意味や願いというのは、その昔イワシを畑の肥料として使うと豊作になるという事から五穀豊穣を願うという意味が込められているそうです。
おせち料理におすすめの田作り
栗きんとんの意味は金運アップや商売繁盛!
栗きんとんの「きんとん」は感じにすると金団と書きます。これは金色の団子や座布団という意味があって、そこから栗きんとんは金銀財宝を連想させる縁起物と言われるようになったそうです。
たしかに栗は色も黄色ですから金運アップや商売繁盛という意味にはぴったりですね。また栗というのは昔は日本中どこの山でもあったそうで、山の幸といえば勝ち栗と言い、勝負運が上がるという意味も込められているそうです。
今年は勝負の年だっていう人はいっぱいたべたくなるおかずですね。
おせち料理におすすめの栗きんとん
紅白蒲鉾の意味はめでたさと慶び
紅白のかまぼこには、紅が「めでたさ」や「慶び(よろこび)」、白が「神聖」や「清浄」という意味があります。
また、かまぼこの形状が日の出に見えるため、古くからおせちにふさわしい縁起物食材とされています。 見た目に美しい飾り切りは祝いの日をいっそう華やかにしてくれますね。
おせち料理におすすめの紅白かまぼこ
伊達巻の意味は学業成就と子孫繁栄
渦巻き模様でふわふわとした黄色の伊達巻は、やさしく華やかで甘さもあるので子供にも人気のおせち料理ですよね。そんな伊達巻には「学業成就」「子孫繁栄」という意味があります。
まず、伊達巻は卵や魚のすり身を混ぜて焼いたものを巻いており、その形がまるで巻物のようですよね。巻物は今でいう書物であり勉強などに用いられていました。そのため、学業成就の願いが込められるようになったようです。
そしてもう一つ、伊達巻に使われる卵は、子宝を象徴する食材です。また、卵の黄色には、「豊穣」という意味があり、こちらも子宝を連想させます。
おせち料理におすすめの伊達巻
昆布巻の意味は子孫繁栄と不老長寿
昆布巻きにはいろいろな意味が込められています。
まず「喜ぶ(よろこぶ)」と関連することができますし、昆布は別の呼び方で「広布(ひろめ)」とも言われ「広める」という縁起物として使用されます。
北海道の昆布には「夷布(えびすめ)」という名前のものもあって、七福神の「恵比寿様」を連想して「福を授かる」という意味も含まれているようです。
また、「こぶ」に「子生」の当て字をして子孫繁栄も祈願し、さらに「養老昆布」の字を当て、中に「二親」と書くニシンを巻いて両親の長寿も願います。
おせち料理におすすめの昆布巻き
昆布巻き (500g) 国内産 国内製造【北海道産昆布使用】
紅白なます
たたきごぼうの意味は家庭繁栄と開運
おせちに入っているたたきごぼう、子供のころは苦手でした(笑)大人になるとさっぱりとした甘さでシャキシャキとした食感がおいしいと感じるようになりました。
たたきごぼうは文字通り、ごぼうをたたいて開くことから「開運」の意味があります。
そしてもう一つは、地中に根を張り力強く成長することから「家族が土地に根付いて安泰に暮らせますように」という繁栄の意味もこめられています。
おせち料理におすすめのたたきごぼう
じつは、おせちを詰める重箱にも意味がある
おせち料理をつめる重箱にも、「幸せを重ねる」「福を重ねる」という意味が込められています。
正式なお重箱の段数は四段?五段?と諸説ありますが、最近は核家族化が進み三段重を用意するご家庭が多くなっています。
「一の重」には黒豆などの祝い肴を、「二の重」には伊達巻や紅白なますなどの口取りや酢の物、「三の重」には海の幸が中心の焼き物、「与の重」には山の幸が中心の煮物を詰め、最後の「五の重」には神様から授かった福を詰めるために空にしておくとか。昔ながらの粋な計らいがありますよね。
おせち料理におすすめのおしゃれなお重
白いお重もおしゃれですよね。
重箱 三段 スクエア ホワイト 白 6.0寸 (約18cm)お重箱 3段 紀州漆器
おせち料理の由来や歴史
おせち料理のはじまりはなんと弥生時代
おせち料理のはじまりはなんと弥生時代からになるそうですよ。驚くべきは日本初ではなくて中国から伝わってきたそうです。弥生時代と言えば卑弥呼さまもおせち料理を食べていたのでしょうかね。
では、どうやって中国から伝わってきたのかというとキーワードは「稲作」です。
縄文時代の終わりに稲作が中国から日本に伝わり、弥生時代には狩猟中心の社会から農耕中心の社会へと変わりました。稲作は季節が夏から秋に変わる「節」という暦ももたらされました。それからは節ごとに食べ物の収穫を神様に感謝しようということでお供え物をする風習が生まれました。
これを「節供」(せっく)と呼ぶようになりました。この節供にお供え物として料理したものを「御節料理」と呼び、いまのおせち料理の呼び方の由来になったとされています。
奈良時代から平安時代にかけて
弥生時代がおわり奈良時代から平安時代にかけて、節の儀式が宮中行事として行われるようになり御節料理が定着してきました。このころはお正月ではなく中国の暦法にもとづいた節目の日に、「御節供(おせちく)」と呼ばれるお祝い料理が振る舞われるようになりました。
とくに、五節句の日というのが重要視され1月1日の元日と1月7日の白馬(あおうま)、1月16日の踏歌(とうか)と1月の3回に加えて、5月5日の端午(たんご)、11月の豊明(とよのあかり)でした。
家庭で頂くおせち料理は江戸時代に定着
おせち料理がお正月の定番として広まったのはじつは江戸時代です。江戸時代になると五節句は祝日として定められ、一般の家庭でも「御節供」というものが民間行事となってきます。五節句の中でも新年を迎える最も重要な日の節句料理が、お正月料理として定着してきます。
いまのように保存が難しい時代ですが山や海の幸もおせち料理に取り入れられるようになり、黒豆や栗きんとんなど、おかずのひとつひとつに意味が込められ、新年を祝うために食べるものとなりました。
また大みそかにおせち料理を女性が作り、お正月に家族揃って食べる風習もこのころから生まれているようです。
昭和・平成・令和にかけていまのおせち料理に変化
明治大正時代、おせち料理は家庭で作るものでしたが、終戦後の昭和から大きく変化していきます。重箱に入ったおせち料理がデパートで売り出されるようになりました。
その後じわじわと仕出し業者などでも販売され、インターネットが広まってくるとネット通販でいろいろなおせち料理が購入できるようになりました。
ここ数年ではおせち料理は和風の伝統的なものだけではなく、洋風や中華風、和様折衷の料理が盛り込まれ、老舗料亭のおせちや有名シェフや有名レストラン監修によるおせち、また子供に人気のキャラクターおせちなど多種多様になってきています。
さらにはご夫婦2人だけで食べる少人数向け、おひとり様向けのひとりおせち、歯の弱い方向けのやわらかおせち、購入前に試せるお試しおせち、ペット用のおせちなど、いろいろな要望に応えたおせちが販売されています。
こうしておせち料理の歴史をさかのぼって知っていくといろいろなことがわかって面白いですね。ぜひお正月におせちを食べながら子供たちやご友人にこのお話をしてみませんか?
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